郷(GO)GRANDCLASS 魚沼コシヒカリEditionのナノ粒子の存在を確認

津南醸造株式会社(本社:新潟県中魚沼郡津南町、代表取締役社長:鈴木健吾)は、当社が醸造する日本酒「郷(GO)GRANDCLASS 魚沼コシヒカリEdition」に含まれるナノサイズ粒子について、NTA(Nanoparticle Tracking Analysis:ナノ粒子トラッキング解析)を用いた定量分析を実施しました。その結果、本酒中にエクソソームと類似のサイズ帯(約150~180 nm)に分布するナノ粒子が高濃度で存在することが確認されました。

背景と目的

近年、発酵食品や植物由来の細胞外小胞(Extracellular Vesicles: EV)が健康科学分野で注目を集めています。エクソソーム(直径30~200 nm程度の細胞外小胞)は、細胞間コミュニケーションに関わるナノ粒子として生命科学の最前線で研究が進んでおり、食品中のEV様ナノ粒子が生体に与える影響についても国内外で研究が始まっています。

当社は、米と水と発酵の力から生まれる日本酒にも、こうしたナノサイズ粒子が含まれる可能性に着目し、フラッグシップ銘柄である「郷(GO)GRANDCLASS 魚沼コシヒカリEdition」を対象に、ナノ粒子精製およびNTA解析を実施しました。

分析手法

NTA(ナノ粒子トラッキング解析)

「郷(GO)GRANDCLASS 魚沼コシヒカリEdition」からナノ粒子画分を抽出・精製しました。精製試料について、NanoSight NS300装置を用いたNTA解析を行いました。NTAはレーザー光を照射し、ブラウン運動するナノ粒子の散乱光を個別にトラッキングすることで、粒度分布および粒子濃度をリアルタイムに計測する手法です。

測定条件

測定装置NanoSight NS300(青色レーザー 405 nm)
測定日2026年1月16日
希釈条件50倍希釈
Camera Level12
Detect Threshold5
測定回数5回測定の平均値を算定

分析結果

NTA解析の結果、「郷(GO)GRANDCLASS 魚沼コシヒカリEdition」の精製画分から、エクソソームサイズ帯のナノ粒子が高濃度で検出されました。主要な測定結果は以下のとおりです。

粒度分布・濃度測定結果

測定項目測定結果
平均粒子径(Mean)180.8 nm(± 3.3 nm)
最頻粒子径(Mode)152.3 nm(± 4.3 nm)
標準偏差(SD)47.2 nm
D10134.4 nm
D50(中央値)170.0 nm
D90232.8 nm
粒子数濃度1.26 × 10¹⁰ particles/mL(± 2.38 × 10⁹)

粒子数濃度は試料の希釈倍率(50倍)を換算済みの値です。

主な知見

最頻粒子径(Mode)は152.3 nmであり、これはエクソソーム(30~200 nm)のサイズ範囲内に該当します。粒度分布はD10=134.4 nm、D90=232.8 nmと比較的均一な分布を示し、100~250 nm付近に粒子が集中していました。

粒子数濃度は約126億個/mL(1.26 × 10¹⁰ particles/mL)と極めて高い値を示しました。これは、日本酒の発酵プロセスにおいて、酵母や麹菌由来のナノ粒子が豊富に生成されている可能性を示唆しています。

本分析の意義と今後の展望

本分析は、日本酒の「郷(GO)GRANDCLASS 魚沼コシヒカリEdition」にエクソソームサイズのナノ粒子が存在することを定量的に示した取り組みです。NTA解析はサンプル液中のナノサイズ粒子の存在とその個数濃度を測定するものであり、粒子の生物学的起源や機能を直接証明するものではありませんが、日本酒を構成するナノスケールの成分を可視化した点で大きな意義があります。

津南醸造では今後、これらナノ粒子の組成解析(プロテオミクス、リピドミクス等)や生理活性の評価を通じて、日本酒の新たな機能性・付加価値の解明にグローバルな市場とのコミュニケーションを前提に取り組んでまいります。「醸造×ナノバイオテクノロジー」という新領域の開拓により、日本酒文化のさらなる深化と科学的理解の促進を目指します。