2024年8月27日、津南醸造株式会社の代表取締役である鈴木健吾氏が、シンガポールのAyer Rajah CrescentにあるDeep Tech Hubにて開催されたUntroD Capital主催のイベントに参加しました。このイベントは、UntroD Capital Asiaと主要な関係者とのつながりを深めることを目的に、シンガポール現地の時間で18:00から20:30まで行われました。プレゼンテーションとネットワーキングの機会を通じて、ディープテックスタートアップの紹介や、参加者同士のコラボレーションの可能性について確認しあう場となりました。
津南醸造の製品紹介
イベント中は、津南醸造の代表的な製品である「GO グランクラス 魚沼コシヒカリエディション」と「GO Dolce」を紹介しました。これらの製品は、地域資源の活用と先端的な醸造技術を駆使して作られたプレミアム酒であり、津南醸造の取り組みを象徴するものです。特に「GO グランクラス 魚沼コシヒカリエディション」は、食用として広く知られている魚沼産コシヒカリを醸造プロセスに活用する試みを反映しています。
酒造りにおける挑戦と革新
鈴木氏は、コシヒカリのような食用米を伝統的な酒米の代わりに使用する際の課題について説明しました。これらの米は構造が異なるため、精米や醸造技術も異なるアプローチが必要です。しかし、津南醸造の技術的な専門知識を活用し、これらの課題を克服し、競争力のある香り豊かな酒を製造することに成功しました。参加者からは、その独特の香りと味わいに対して高評価が寄せられました。
再生可能な醸造への取り組み
また、鈴木はプレゼンテーションの中で、津南醸造が目指す「リジェネレイティブ(regenerative)な酒造り」に対する取り組みについても強調しました。このアプローチは、地域のエコシステムと資源を保全しつつ、さらにはそれらを強化する持続可能な生産方法に焦点を当てています。津南醸造は、こうした方法を通じて、酒造りの持続可能で回復力のある未来を築くことを目指しています。
フィードバックとコラボレーションの可能性
特に「GO グランクラス 魚沼コシヒカリエディション」の香り豊かな品質は、参加者から高く評価されました。また、複数の参加者からは、津南醸造の革新的な酒造りアプローチが、広範な再生可能および持続可能なイニシアチブに統合される可能性についての提案もありました。
結論
今回のイベントは、参加者に対して津南醸造の革新性、持続可能性、地域資源の活用に対する取り組みを効果的にアピールする場となりました。地域資源と先進的な醸造技術を結びつけることで、津南醸造は酒市場における競争力を示すだけでなく、革新的なソリューションを通じて、グローバルな課題解決に向け協力の可能性について議論することができました。
UntroD Capitalについて
UntroD Capitalは、ディープテクノロジーに特化したスタートアップ支援をするベンチャーキャピタルで、シンガポール、日本、マレーシアにオフィスとインキュベーション施設を構えており、環境や社会問題に対処する最先端の科学技術の社会実装を推進することを目的としています。投資分野は、航空宇宙、産業オートメーション/ロボティクス、先端コンピューティング、AI/ML、エレクトロニクス&フォトニクス、新素材、脱炭素化、インフラストラクチャー、エネルギー、モビリティ、バイオメディカル、アグリフード、海洋産業に及びます。
津南醸造について
津南醸造株式会社は、新潟県中魚沼郡津南町秋成に本社を置く日本酒蔵です。この地域は豪雪地帯で知られ、標高2,000mの山々からの天然の湧水を仕込み水に使用しています。地元特産の酒米「五百万石」を用いて、自然と共生する酒造りを行っており、「Brew for Future〜共生する未来を醸造する〜」をブランドコンセプトにしています。2023年からの新体制で、酒蔵とサイエンスの融合をベースに新たな価値創造ならびに海外展開を目指しています。
https://tsunan-sake.com/