津南醸造株式会社(本社:新潟県津南町、代表取締役:鈴木健吾、以下津南醸造)は、酒小町と協力して、2024年10月18日(金)に津南醸造の現時点の取り組みと将来構想ならびに日本酒を、Slit Park YURAKUCHOにて開催される『新しい「好き」と出会える出会いの森BAR』にて紹介いたしました。
イベント開催概要
日時: 2024年10月18日(金) 18:00 – 21:00
場所: Slit Park YURAKUCHO
(〒100-0005 東京都千代田区丸の内3丁目4−1)
主催: 日本酒コミュニティー「酒小町」
協力: 東邦レオ株式会社
株式会社SpAcE
トークイベント プログラムの様子
トークイベントでは、津南醸造のサイエンスを軸にした酒造りを中心とした事業展開について津南醸造の代表取締役である鈴木健吾が、プログラムにしたがって各トークテーマにて話を行いました。オーガナイザーは、唎酒師アナウンサーの石川奈津紀さんに務めてもらいました。
第一部 AI×日本酒の可能性
津南醸造の蔵としての特徴を紹介し、生成AIを用いたスマート醸造や、日本酒の開発や事業展開への活用事例の可能性についてゲストスピーカーを交えて話がなされました。
株式会社MEMORY LABからは、陣内響子さんに来ていただき、MEMORY LABが保有する研究開発テーマに関する分析技術がどのようなもので、日本酒の領域について分析を行った際には網羅的に研究領域がどのようなものかを提示していただき、その中でも酒かすの飼料利用の可能性の調査結果についてのご紹介をいただきました。
参考(生成AIを用いた日本酒製造工程のサステナビリティ実現に関する技術領域の俯瞰的調査の記事)
https://tsunan-sake.com/memory-lab-ai/
株式会社野村事務所の脇田さんからは、シンガポールのProfilePrintと共同で開発したAIによる官能評価システムを活用し、日本酒を評価する手法についての紹介がされました。このシステムは従来主観的だった味や香りを客観的に数値化し、各酒蔵における品質管理や、国内外市場向けの市場における流通する情報として活用される可能性について言及がされました。参考(プレスリリース「津南醸造は野村事務所が構築したAIによる日本酒の官能評価システムを活用して自社銘柄の評価しました」)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000036.000054865.html
株式会社URTHからは代表の田中さんに来ていただき、現状のUrth社が関連するメタバース×建築の事業可能性を語っていただくとともに、酒蔵とメタバースの可能性について示していただきました。
株式会社Urthが提供するメタバース空間のサービスにおいて、月面環境での建築現場をイメージした際の空間について、聴講者が空間に入ることができるスペースの紹介もなされ、実際に聴講者が入ってコミュニケーションをとることができることが確認されました。
第2部 不老長寿×日本酒の可能性
日本が手掛ける発酵技術のポテンシャルについて、健康面での研究も先端の技術で進んできており、健康増進に大きく寄与する可能性があることについて話をさせてもらいました。
東京科学大学の安達先生からは、お米の種類によって免疫に及ぼす影響が異なることを示す結果が示されました。お酒についても発酵の方法でさらに、その免疫に与える影響が変化する可能性についても言及され、津南醸造の「郷(GO) GRANDCLASS 魚沼コシヒカリEdition」についての研究成果についても披露いただきました。
参考(未病制御学 | 東京科学大学 | 難治疾患研究所のWebページ)
https://www.tmd.ac.jp/mri/section/joint/jr/
麹の可能性について、砂糖に代わる「オリゼ甘味料(米麹発酵糖分)」の社会実装へ向けて開発をすすめるオリゼ株式会社の小泉社長にお話をいただきました。オリゼ社は、発酵食品ブランド「フードコスメORYZAE」を展開し、伝統的な発酵技術と現代のライフスタイルを融合させ、おいしさと健康を両立する“食べるコスメ”=フードコスメを提唱しています。
第3部 宇宙における日本酒製造の可能性
人類の生活圏は、地球表面上だけでなく月面や火星などの宇宙空間に広がる構想が具体化してきています。日本酒の生産も小規模の実験から、実際に月面でお酒造りがなされる未来があるかもしれません。
第3部はパネルディスカッション形式で、書籍「めざせ!未来の宇宙飛行士」の著者としても活躍される宇宙キャスターの榎本麗美さんにモデレーターとしてお話をいただきました。
参考(書籍「めざせ!未来の宇宙飛行士」に関する紹介ページ)
https://uchubiz.com/article/new53922/
高砂電気工業株式会社からは、前川さんに会社での宇宙ビール醸造デバイスの紹介をしてもらいました。中でも、宇宙でお酒造りをすることの課題と可能性について具体的なこれまでの事例と共に話をしていただきました。
IDDKからは、上野さんと池田さんにお話をいただきました。宇宙空間は、様々な点で地球上とは大きく異なる特別な環境にあり、その代表例として微小重力環境について言及されました。微小重力環境では対流や沈下などの現象が起こりにくいため、物質や生物がそのような状況下において、どのように反応するかを観察するための優れた環境と考えられています。宇宙実験は、人間が宇宙活動を拡大するために宇宙空間が人間に与える影響を研究解明するだけでなく、宇宙実験の成果によって地球に住む人々に利益をもたらすことも期待されています。
参考(Micro Bio Space LABの紹介ページ)
https://iddk.co.jp/app-def/S-102/iddk_wp/?page_id=3819
リジェネソーム株式会社からは、代表の佐久間さんから会社概要と、酒由来のナノ粒子成分を「SAKESOME(サケソーム)」として定義して、抗う老化に関連する研究開発を進めていることが紹介されました。
参考(リジェネソーム社のWEBページ)
https://regenesome.com/
参考(リジェネソームについての説明動画)
https://www.youtube.com/watch?v=ZRK7z0VlEP8
日本酒の提供について
イベントでは津南醸造を象徴する個性のある日本酒3種類をセレクトして、会場にいらしたお客様に向けて提供させていただきました。
・郷(GO)GRANDCLASS 魚沼コシヒカリEdition
津南醸造が手掛ける郷(GO)シリーズの中でも最高級に位置し、年間の製造数量はごくわずか。コシヒカリの甘さも感じ、雪解け水のようなさらりとした旨味に包まれて、今後新潟を代表するお酒にそだてていくための第一弾のお酒。
参考:https://tsunan-sake.stores.jp/items/66a1dac9d3fe320036bad4dc
・グリーン日本酒 (酵母のスターターに微細藻類ユーグレナを使ったお酒)
酵母のスターターにユーグレナを使うことによって吟醸香を高める効果があることが確認されていて、その特徴を活かした香りに特徴がでた次世代の日本酒。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000037.000054865.html
・酒粕カクテル melty snow (Go dolce × 醸グルト )
スイーツにあうGo dolceをベースにした、酒粕がもう一度日本酒に出会う幻のカクテル。乳製品フリーで、脂やしつこい感じが無く、甘くてクリーミーで飲みやすい仕上がり。
参考:https://farm8.jp/hacco-to-go/blog/meltysnow/
フードの提供について
食材スタイリストの「みーる」さんに、この度、提供された津南醸造のお酒に合わせて考案した、スペシャルペアリングおつまみを用意していただきました。
イベントの総括
日本酒について、日本国内では存在は知られているものの若い世代にとっては特に、あまり飲んだことが無かったり、将来のライフスタイルにどのようにフィットするかを考えられることが限定だったりするという状況にあると考えられます。この度の取り組みのように、日本酒においてサイエンスを一つの切り口に、ものづくりの成果としての日本酒を味わいながら、日本酒の将来性についての話をすることで、参加された方に対して日本酒の可能性について認知を広げることができ、イベントを運営する側にとしても貴重な機会になりました。
Slit Parkについて
東京、有楽町。オフィスの路地裏に誕生した”出会いの森” スリットパーク。 さまざまな体感から生まれる、感性を刺激する新たなワークスタイルを実現する場所です。従前、薄暗く活用されていない路地であった場所を、三菱地所が光と緑あふれる空間に建て替え、2023 グッドデザイン賞も受賞しています。
有楽町エリアの新しい拠点として訪れる全ての方々に開放し、キッチンカーや路外ショップによる飲食・物販のサービス、空間に躍動感をもたらすアートの設置、気軽に参加できるようなイベントにて出会いや交流を促進し、街の魅力度向上に繋げています。
https://wick-slitpark.studio.site/
酒小町について
日本酒を “日常の当たり前” にしたい。届いていない想いを届けたい。ひとりでも多くの方に日本酒の美味しさ、面白さ、奥深さを知って欲しい。酒小町は、そんな想いを持つ20〜30代のメンバーを中心に構成されたコミュニティです。美味しく楽しい時間を通じて、『日本酒のためにできること』をコンセプトに活動しています。
https://sakekomachi.jp/
津南醸造について
津南醸造株式会社は、新潟県中魚沼郡津南町秋成に本社を置く日本酒蔵です。この地域は豪雪地帯で知られ、標高2,000mの山々からの天然の湧水を仕込み水に使用しています。地元特有の酒米「五百万石」を用いて、自然と共生する酒造りを行っており、「Brew for Future〜共生する未来を醸造する〜」をブランドコンセプトにしています。2023年からの新体制で、酒蔵とサイエンスの融合をベースに新たな価値創造ならびに海外展開を目指しています。
https://tsunan-sake.com